エアコンの配管を通す穴を開ける

エアコンのシステムとは、室内で目にすることができる「室内機」と家屋の外に置かれている「室外機」の2つでワンセットになっています。このため、家庭用のエアコンは「セパレートエアコン」とも呼ばれています。

そして、この2つは配管でつながれています。この配管の中には、「冷媒」という物質が流れており、この冷媒は熱の多い所から熱の少ない所へ移動するという性質を持っています。この冷媒の性質を利用して部屋に空気に含まれている熱だけを配管を通して室外に運び出すのがエアコンの原理なのです。

室内機で熱が冷媒に乗り、その熱は配管を通って室外機まで運ばれます。室外機で熱を降ろした冷媒は配管を通り室内に戻り、熱を乗せて再び室外に運ばれるのです。これを繰り返すことにより、室内の空気の熱だけがどんどん室外に運び出されることで、部屋が涼しくなるのです。

部屋の中にある室内機と屋外にある室外機を配管でつなぐためには、家屋の壁に穴を開ける必要があります。もし壁に穴を開けることができなければ、エアコンを取り付けることができないのです。家屋の壁に穴を開けるとなると、専門的な知識と技術が必要となります。このサイトでは、壁にエアコンの配管を通す穴を開ける時に知っておくべき知識について説明させていただきます。

穴を開ける位置と、穴の勾配がポイント

エアコンエアコンの配管を通す穴を開けるには、まず適切な位置を決定する必要があります。エアコンの室内機からの排水は、壁に開けた穴を通る排水のパイプを通り室外へ排出されます。もし、穴が室内機と同じ高さ、もしくは室内機よりも高い位置にありますと排水が室内機の方向に逆流し、うまく室外に排出されず、室内の水漏れの原因となります。

このようなトラブルの発生を避けるため、穴はエアコンの室内機を取り付ける予定の位置の右下に開けるようにします。左下に穴を開けることも可能ですが、穴が室内機の右下にある場合と左下にある場合とを比較しますと、右下にある方が排水がしやすく水漏れを起こしにくいのです。さらに、穴に勾配をつけることにより排水がスムーズになりますので、室外に向かい斜めの勾配がつくように穴を開けます。エアコン室内機の右下に穴を開けること、そして穴に斜め下への勾配をつけることが穴を開ける際の大切なポイントです。

壁の十分な事前調査が必要

コアドリルというドリルで穴を開けますが、家屋に穴を開ける際には十分な事前調査が必要です。穴を開ける前にセンサーを用い壁の中に壁の耐久性を高めるための柱や梁、電線などが走っていないかを慎重に調べます。穴を開けることによりガス管を傷つけてしまったり、電線を切断してしまっては大変だからです。

一戸建てに穴を開ける場合にも注意が必要です。建築物の構造補強を目的として建築物内部に約450㎜感覚で組み込まれた木材を「間柱」と呼び、建築物内部に斜めに組み込むことによって構造補強する木材を「筋交い」と呼びますが、間違って間柱や筋交いを傷つけてしまうと家屋の構造補強に影響が出てしまうのです。一戸建てに穴を開ける際には、家の設計図を入手の上、間柱や筋交いの位置を確認し、壁の内部にある間柱や筋交いを傷つけないように、慎重に事を運ばないといけません。

また、穴を開けるコアドリルは壁の材質に合ったものを選ぶ必要があります。壁の材質には木、鉄骨、土、コンクリ―トなどがありますが、それぞれの材質に合ったコアドリルがあるのです。

追加工事となる穴あけ

さて、エアコン取り付け工事には、標準工事と呼ばれる工事と、追加工事と呼ばれる工事の2種類があります。標準工事はエアコンを取り付けるのに必要とされる最低限度の工事のことです。そして追加工事とは標準工事だけではエアコンを取り付けることができない場合に追加で行われる工事のことです。

木造家屋の壁に穴あけ工事を行うのは標準工事に含まれていますので、追加費用は発生しません。しかし、壁が木造以外の場合は、追加工事扱いとなり別途料金がかかります。料金は壁の材質によって異なります。例えば壁の材質がタイルやレンガの場合は穴1ヶ所につき11,000円~、コンクリートの場合は22,000円~、ALC(軽量鉄骨)の場合は5,000円~などとなっています。

壁の材質が木造であったりALC(軽量鉄骨)の場合はまず問題はないのですが、土壁やタイル、鉄筋コンクリートなどの場合は、穴を開けることのできる厚みがあるかどうかや、壁の強度を確認するためにエアコン取り付け専門業者に下見に来てもらう必要がある場合があります。鉄筋コンクリートに穴を開ける場合は、ドリルの騒音が激しく、時間がかかることもあります。

壁に穴を開けることができない場合は

新築なのでどうしても穴を開けたくない、賃貸物件で大家の許可が下りず、壁に穴を開けることができないなどの場合はどうすればいいのでしょうか。家屋に穴を開けることができないがエアコンの設置が必要な場合は、窓にはめ込むタイプのエアコン(ウインドエアコン)という選択肢があります。

窓にはめ込むタイプのエアコンの最大の長所は、エアコン取り付け専門業者による工事がいらないということです。費用も安くあがります。取り付け手順は、まず枠を取り付け、次に枠上部を引き上げて、窓枠を固定し、エアコンを取り付け、最後にガラス窓の隙間から外気や虫などが入ってくるのを防ぐために窓パッキンを貼り付けて、鍵を取り付けて完成です。

室外機が内蔵されていますので運転音が大きくなることや、室内機と室外機が分かれた一般的家庭用エアコンに比べて効きが弱く、約2倍の電気代がかかることなどが、窓にはめ込むタイプのエアコンの欠点です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。家庭用エアコンを取り付ける際の穴開け作業には、高度の専門知識と専門技術が要求されることがご理解いただけましたでしょうか。単にドリルで壁に穴を開けるだけではないのです。

木造の壁の場合は標準工事で追加工事とならず、追加料金もかからないが、ALC(軽量鉄骨)やタイルやレンガ、コンクリートなどの場合は追加工事となり追加料金がかかる理由もよくおわかりになっていただけたことと思います。それぞれの材質に合ったコアドリルを用意しなければなりませんし、下見をして確認することが必要であったり、穴を開けるのに時間がかかったりと、労力も増えてしまうからなのです。

壁に穴を開けずに設置できる窓にはめ込むタイプのエアコンを選ぶという方法もありますが、効きが弱い、電気代がかかる、うるさいなどの欠点があります。やはり穴を開けて設置する一般的エアコンに軍配が上がると思います。穴あけ工事のポイントを理解して、腕の立つエアコン取り付け専門業者に依頼し、納得の行く穴あけをしていただければと思います。